生命はシステムとして理解できるか? 「システムバイオロジー」って何だろう? システムバイオロジーというのは、不思議なジャンルである。そのタイトルからは、何をどうやって研究するのかが解らない。 通常、研究分野を表すタイトルとしては、対象となる生命現象か、あるいは研究の手法が使われる。前者であれば、細胞学、発生学、免疫学などが例だし、後者は、X線生物学、数理生物学、分類学などだ。実に解りやすい。 一方、「生命をシステムとして理解する」というのがシステムバイオロジーの定義だが、この定義は研究の対象も手法を特定しておらず、あえて言うなら「思想」に近い。 さらに、「システム」というあいまいな言葉は、いろいろに解釈できそうだから、この「思想」はほとんどの生命科学研究に当てはめることが可能だ。自己申告制にすれば、どんな研究も「システムバイオロジー」を名乗ることができてしまう。 だから、生命科学