本連載では、Wモデルなど、テストの新しいアプローチをいくつか紹介しました。これらの特徴は「既存の枠組みを見直そうとしていること」です。今回は、各アプローチにおいて、具体的にどのような点で既存の枠組みを見直そうとしているのかを解説します。 以前、「Wモデル」や「リスクベースドテスト」「グレーボックステスト」など、テストの新しいアプローチについて紹介しましたが、これらには共通の特徴があります。それは、開発で明確に役割分担していたこれまでの枠組みを見直そうとしていることです。 「テストレベルの再構築」では、テストする順番を見直すことを提案しています。これは、教科書通りのテストだと不具合を見つけた時には手遅れで、ソフトウェアを修正するのが極めて困難になってしまっていることがあるからです。 以前、システムパフォーマンスの例を挙げましたが、例えば、「あるシステムの性能が低い」という時、ハードの増強やS