支離滅裂、荒唐無稽(むけい)な小泉毅(たけし)容疑者(46)の供述の中で、「大学に行って、高級官僚が悪だということが分かった」は妙にリアルで心に引っかかる。年金などをめぐって厚生労働省を批判する空気が世に充満している。しかし、犠牲になった厚労省の元高級官僚はどのように「悪」なのか? 93年。私が厚生省(当時)の担当になって間もないころ、難解な年金制度について報道各社の記者が勉強会をやることになり、夕方、年金局長室で担当課長の説明を受けた。1時間ほどたった時だった。 「まだそんなことやってんのか。勉強したって役に立たないだろ」。黒い髪をぴしっと七三に分け、エリート官僚然とした山口剛彦年金局長が後ろに立っていた。尊大な物言いに面食らっていると、女性記者が「いつも偽悪趣味なんだから」と苦笑した。それを機にくだけた雰囲気になって局長を囲んだ。誠実な仕事ぶりなのに「山口嫌い」の議員が多く、事務次官の
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