「美味しんぼ」で福島第一原発事故後の鼻血などが描かれたことをめぐり、専門家や健康被害を訴える当事者らが5月23日、参院議員会館で記者会見を開いた。会見で出席者らは、言論の自由のあり方や、鼻血と被ばくの因果関係などのテーマで意見を述べた。朝日新聞デジタルが報じた。 住民の自主的な甲状腺検査に協力してきた北海道がんセンターの西尾正道名誉院長は「高線量被曝(ひばく)による急性障害に論理をすり替え、鼻血(との因果関係)を否定する『専門家』がいる」と批判。「放射性物質が付着した微粒子が鼻腔(びくう)内に入って低線量でも鼻血が出る現象はあり、医学的根拠がある」と指摘した。 記者会見に電話で参加した福島県内の母親は「漫画全体を読み、福島への愛情を感じた。子どもに鼻血が出ても、話を聞く前から因果関係を否定するような人たちに私たちは本当のことは言わない。国の責任で鼻血を含めた健康調査をしてほしい」と訴えた。