ジョンズ・ホプキンズ大学の神経科学教授である筆者は、思わぬ病の発覚により余命わずかと告げられる。感情の渦に飲み込まれそうになりながらも、自らの死になんとか備えようとするなかで、筆者が人間の精神について新たに理解した「3つのこと」とは──。 定期検診の心エコー検査で、私の心臓の隣に大きな塊が見つかった時、放射線科医はそれを裂孔ヘルニアかもしれないと考えた。胃の一部が横隔膜を押し上げて、心嚢を圧迫しているのではないか、と。 「このダイエット・ドクターペッパーを一気飲みして、すぐ検査台に乗ってください。胃の中のコーラの炭酸が抜ける前に、もう一度心エコー検査をしますので」 私は従った。が、画像に映った塊の内部には、胃の中の炭酸が弾ける様子は確認できず、ヘルニアの診察を裏付けるものはなかった。 数週間後、より解像度の高いMRI検査を受けたところ、実は例の塊は心嚢の内側にあって、それもかなり大きいこと
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