10月31日に自民党と幹事長会談に臨んだ国民民主党。衆院選で与党が過半数を割った今、この先の政権運営でカギを握る存在として脚光を浴びる。衆院選で獲得した議席数は改選前の4倍の28。比例代表の得票数は300万票超も上積みした。そんな国民民主は選挙中、家計思いの姿勢を打ち出したが、実は別の顔も持つ。それでも躍進した背景をどう捉えるべきか。 (宮畑譲、森本智之)
埼玉県などで暮らすトルコの少数民族クルド人へのヘイトが激化している。ここへきて目立っているのが、クルドの子どもを狙った盗撮動画や画像の拡散だ。被害に遭った子どもたちは深く傷つき、トラウマ(心的外傷)の後遺症に苦しみ続けている。なぜ、子どもまでが攻撃されるのか。歯止めを失うクルド人へのヘイトの現状に迫った。(森本智之、池尾伸一)
現行の健康保険証の廃止がどのように決まったのか、その決定経緯が分かる記録を政府が残していなかったことが、東京新聞の情報公開請求や関係者への取材で分かった。 事実上のマイナンバーカード取得義務化にも等しい大きな政策転換だったにもかかわらず、政府内でどのような議論があったのかブラックボックスになっている。(マイナ保険証取材班・戎野文菜)
「ダメだよ。保険証廃止は」デジタル庁幹部は断言していた マイナ一本化になぜ転換?協議の記録がない不可解
能登半島地震の影響で土砂崩れの恐れがあるとして、集落全体が石川県から「長期避難世帯」に認定された同県輪島市町野町の寺山地区の住民による初の会合が同町であった。避難指示は長期に及ぶとみられ、今後の見通しは不明なまま。住民からは「今のままでは何も決められない。市はもっと情報を出してほしい」との声が上がった。(上田千秋、岩本雅子) 寺山地区 住民によると、25世帯38人が居住。地震の際は周辺の県道や市道で土砂崩れが起きて孤立状態になり、住民は1月8、9日に自衛隊のヘリコプターなどで救助された。長期避難世帯には6月11日に認定された。能登半島地震では長期避難世帯として現在、石川県の奥能登2市2町と津幡町の計185世帯が認定されている。
不妊手術などについて定める「母体保護法」を巡り、健康上の問題や配偶者の同意がなければ不妊手術が受けられないのは憲法違反として、20〜30代の女性5人が国に損害賠償を求めて訴訟を起こし、争っている。原告の訴えに耳を傾け、同法の歴史をたどると、女性の自己決定権がないがしろにされてきた実態が浮かんだ。(太田理英子)
埼玉県川口市周辺で暮らすクルド人に向けたヘイトスピーチを巡り、日弁連が26日夜、東京都内で緊急集会を開いた。オンラインを含めて約350人が傍聴。クルド人や支援者らが登壇し、現状報告した。川口でヘイトスピーチが深刻化する中、現場で立ち向かう人たちは何を訴えたのか。(森本智之)
東京都は7日、小池百合子知事(72)が6日夜に神宮球場で行われたプロ野球の始球式で左膝関節の剝離骨折をし、当面の公務を自宅などからテレワークで行うと発表した。全治2カ月と診断されたという。入院はしていない。15日の都戦没者追悼式には出席する予定。
交流サイト(SNS)の浸透を背景に、戦争は、人々の考え方の主体となる「脳」を巡る争い「認知戦」に発展しつつある。「人の脳が戦場になる」とは、どういうことなのか。ロシア・旧ソ連諸国を専門とする軍事研究家で、安全保障問題に詳しい小泉悠・東京大学先端科学技術研究センター准教授(42)に聞いた。(聞き手・滝沢学) 認知戦 人の脳など「認知領域」を標的にした戦い。世論の誘導や敵対勢力の撹乱を狙う「情報戦」の一つ。マスメディアを通じたプロパガンダ(宣伝)の流布だけでなく、SNSなどで刺激的な情報発信を繰り返し、人の頭の中に直接働きかけて考え方を先鋭化させ、対立をあおって社会を弱体化させる。陸海空や宇宙、サイバー空間と並ぶ6番目の戦闘領域として「認知領域」が捉えられ、各国で研究が進む。日本では2022年の防衛白書で初めて「認知戦」の用語が登場した。
「特定の人がデマの潮流を生み出していた」 ネットにはびこるヘイトの真偽を検証し、立ち向かう動きを追った 埼玉県南部の川口市周辺で約2000人が暮らすとされるクルド人へのデマやヘイトが目立つようになって1年余り。その多くがまき散らされているのが、これまでも深刻なレイシズムの温床になってきたネット空間だ。「放っておけばデマが事実だと誤解されかねない」と、ネットをパトロールする人たちがいる。現状を追った。(森本智之)
寄付額の最大約9割が法人税などから軽減される「企業版ふるさと納税」。その制度を使って福島県国見町に寄付した企業グループが、寄付を原資にした事業で還流を受けた疑いが持たれている。町議会が設置した調査特別委員会(百条委員会)は10日に報告書を公表し、公平性に疑問をぶつけた。やりようによっては企業本位でねじ曲げられかねないこの制度。継続していいのか。(山田祐一郎、岸本拓也) 企業版ふるさと納税 正式名称は「地方創生応援税制」で、2016年度に始まった。企業が、自治体の地域活性化事業に寄付すると、寄付額の最大約9割が法人税などから軽減される。東京23区など財政が豊かな自治体や、企業の本社が所在する自治体には寄付できない。
長引く物価高は、企業による必要以上の値上げが要因との見方が出ている。企業がコスト増加分を上回る値上げで収益を拡大させた一方、賃金に十分還元していないとして、欧米で「強欲インフレ」と呼ばれた現象だ。物価上昇の内容を分析した専門家によると、日本も同様の状況に陥りつつある。(大島宏一郎) 5月末の金曜日、スーツ姿の人が行き交うJR新橋駅前のSL広場。「食品は値上がりしたが、給料は上がっていない。景気は悪いと感じる」(東京都千代田区の30代会社員女性)、「スーパーで買うお菓子の容量や個数が減った」(港区の60代会社員男性)。働く人たちは物価高の厳しさに口をそろえた。連合総研の4月調査で、賃金が物価より上がったと答えた働き手はわずか6%台だ。
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