たばこ税の増税が見送られるそうだ。たばこ税が増税されれば、禁煙をしたり本数を減らす人もいるため、そのまま税収増を期待するのは難しいのは事実だ。安定財源として期待することにはその意味で無理がある。しかし、喫煙が本人および周囲の人の健康に悪影響をもたらすことは事実だから、医療費の削減と負の外部性の両面から、増税が好ましいのは間違いない。現在のたばこ中毒者が、増税されてもたばこを止められないことが、逆進性をもたらすというのであれば、禁煙治療に補助金をつけることで対処できる。 どう考えても望ましいことが政策として実行されないのは、参入障壁が大きい産業で利害関係者が少数であるほど政治力が強いという特性の一例だ。今回の件では、葉タバコ生産農家の政治力の方が、健康被害を受ける大多数の人たちの政治力よりもはるかに強いということを示している。この点についての説明は、ティム・ハーフォードの「人は意外に合理的」
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