京極夏彦が様々な作家や学者と雑誌で対談したものから、妖怪を軸に編集したもの。正当な歴史学から認められない妖怪だが、かといって民俗学も進歩がないのではないか、といった批判も飛び出す*1。 保阪正康極左説が生まれた原因の対談が収められていて、そこが見所の一つ*2。290頁の発言などは、確かにナイーブな2ちゃんねる住人にはつらかったことだろう。 もともと日本陸軍の思想というのは「日本というのは物質がない。戦費もないから肉弾突貫作戦だ」でしょう。肉体が武器です。真っ正面からぶつかって行けという考え方が軍のなかに一貫してありましたね。だから玉砕はするわ、特攻作戦は進めるは、平気で虐殺もするわということになるんですけれどもね。 もちろん保阪氏は保守派であり、321頁では自身を保守派*3と位置づけている。 でも、生者の世界では、「戦後民主主義」や「個人主義」の旗色がだいぶ悪くなっている(笑)。僕は過度の