1995年、 『季刊 人間と教育』(第7号、労働旬報社)に掲載された内藤朝雄さんの文章です。「山形マット死事件」について触れつつ、「いじめ」中学生たちの「世間」を理論的に分析しています。入手しやすいものとしては、『〈いじめ学〉の時代』(柏書房)に、その一部が収録されています。 ******************* 「いじめ・全能感・世間」 (リーダー) いじめは、さまざまな秩序がせめぎあうなかで、いじめタイプの秩序が他を潜在化させつつ独自の位置を占めているのだから、いじめの秩序を徹底的に破壊し他の秩序が繁茂する条件をつくりださなければならない。その破壊すべきいじめの秩序とはどんなものか。 0・はじめに 「いじめ」を手がかりにして、人々がリアルな体験を生きる場としての「世間」を見ていく。すると子どもの「世間」であれ、大人の「世間」であれ、群であることの特徴的で構造的な「いきがたさ」「いきぐ