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ブックマーク / booklog.kinokuniya.co.jp (8)

  • 『障害者の経済学』中島隆信(東洋経済新報社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「「障害者ビジネス」に参入するときの必読書」 タイトルの通り、障害者を取り巻く経済についてまとめられている。ストレートな内容である。しかし、このような直球の書籍はこれまでなかった。 障害者について論じられた書籍というと4つのタイプにまとめられる、と著者は書く。 第一に、障害者人またはその親が経験を書いた「自伝タイプ」。第二は、障害者の法制度を書いた「制度論タイプ」。第三は、障害者人またはその関係者が障害者観について語る「観念論タイプ」。そして、第四が障害者の知られざる意外な一面を書いた「意外性タイプ」。 多くの障害者関連の書籍は前者の3タイプに属する。出版社は障害や福祉をテーマにした小出版社が多い。読者層も障害者の関係者という狭い世界に止まっている。多数派である健常者には、障害者の現実は伝わらない構造になっている。「意外性タイプ」は、一般読者を想定しているため大手

    『障害者の経済学』中島隆信(東洋経済新報社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
  • 大学教員(メディア研究・文化社会学)・岡井崇之の書評ブログ : 『女はポルノを読む―女性の性欲とフェミニズム』守如子(青弓社)

    岡井崇之 (おかいたかゆき) 1974年、京都府生まれ。 上智大学大学院文学研究科新聞学専攻博士後期課程単位取得退学。現在、法政大学、日大学などで非常勤講師。専門はメディア研究、文化社会学、社会情報学。メディア言説と社会や身体の変容をテーマに研究している。主著に、『レッスル・カルチャー』(風塵社、2010年、編著)、『プロセスが見えるメディア分析入門』(世界思想社、2009年、共編著)、『「男らしさ」の快楽』(勁草書房、2009年、共編著)など。 →bookwebで購入 「女はポルノをどう読んでいるのか」」 「ポルノグラフィは、『悪いもの』という前提でだけ考察されることが多い主題である。アダルトビデオやインターネットのアダルトサイト、ポルノコミック、アダルトゲーム、写真雑誌、小説・・・・・・とポルノが社会に蔓延している状況に顔をしかめる人は多い。しかしその一方で、マスターベーション

  • 『差別論―偏見理論批判―』佐藤 裕(明石書店) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「理論社会学の醍醐味」 今回は、私と富山大学で一緒に仕事をしている佐藤裕さんの研究をご紹介します。 佐藤さんの研究対象は差別です。ただし、ここでいう「差別」は、一般的にイメージされやすいものと必ずしも一致しません。 私たちが差別という言葉でイメージしやすいのは、社会的カテゴリーによる不当に異なった扱いを指すでしょう。例えば「男性と女性は均しい扱いを受けるべきなのにそうなっていない。これは差別だ」というふうにです(これを佐藤さんは「差異モデル」と呼びます)。このとき、差別をなくす方法はというと、告発を行い、権利をとりもどす、ということになるでしょう(これを佐藤さんは「人権論」アプローチと呼びます)。 *「社会的カテゴリー」は、「集団」に近い概念ですが、例えば「女性」のように実体的な社会集団でないものも含みます。 しかし、「社会的カテゴリーによる異なった扱い」を具体的に画

    『差別論―偏見理論批判―』佐藤 裕(明石書店) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
    umeten
    umeten 2009/02/28
    『オリエンタリズム』から、「医者と裁判官」の要素を抽出したような話か?
  • 『移民環流』杉本春(新潮社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「日系人は日人。緊急支援がないと難民化する!」 昨年秋に表面化した世界同時金融危機。この影響で日の自動車産業は壊滅的な打撃を受けています。そのしわ寄せは、日社会でもっとも弱い人達、外国人に押し寄せています。製造業で働いてた日系ブラジル人の派遣切りが止まらないのです。いま日系ブラジル人の失業率は50%以上。3月末には80%を超えるという予測もあります。 書は気鋭のノンフィクション作家が、ブラジルと日を4年間往復してできあがった作品。日最大の日系ブラジル人コミュニティのある静岡県浜松市の人間として、興味を持って読みました。 時代の変化にめまいがしました。書が刊行されたのは08年11月末。夏に校了して、印刷されたはずです。この時までは、日系人は派遣社員という不安定の立場ではありましたが、それなりに普通の生活を送っていました。この半年間で、普通の生活から失業者の

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  • 『金融危機の資本論 グローバリゼーション以降、世界はどうなるのか?』本山美彦 萱野稔人(青土社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 【新自由主義は終わるのか?】 「貧乏、恐慌、危機。そんなタイトルのついたしか売れない」。 出版に携わるすべての友人たちが、そう嘆く。その通りだろう。事実、出版産業の最末端で日銭を稼ぐ私の仕事も壊滅状態である。1月から驚くほど激減した。バブル崩壊直後をはるかに凌いでいる。恐ろしいのはいつまで続くか見当もつかないことだ。生活資金は日一日と危険水域に近づいている。今や出版は広告の下僕である。すべては紙からネットへ、モバイルへと流れているが、実はそこも危ない。広告費全体が急激に縮小しているからだ。そのうえ人はもうネットに飽きはじめた。業界人たちは当然知っている。だから言わない。尻についた火が熱い。 広告は「空気」を作って売る。その意味で金融に極めて近い。いや、逆だろう。金融は「純粋広告」なのである。広告は物に取り憑いた「亡霊」である。商品を飾り、商品の幻影を作り出す。ところ

    『金融危機の資本論 グローバリゼーション以降、世界はどうなるのか?』本山美彦 萱野稔人(青土社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
    umeten
    umeten 2009/02/11
    >終電間近い新宿駅の地下に行けば、ついこの間そこに寝ることを覚えたばかりの人びとに出会うことができるだろう。/20代、30代の顔だ。そういう人たちがひたひたと増えている。もう駅も警察もすぐには排除できない
  • ジャーナリスト・石井政之の書評ブログ 『生きるための経済学―<選択の自由>からの脱却』安冨歩(NHKブックス)

    →紀伊國屋書店で購入 「虐待された迷えるアダム・スミスの亡霊に市場経済は支配されている」 マイペースで経済の勉強をはじめて1年ほど経ったろうか。 そうしたら、昨年、サブプライムローン問題が顕在化して、世界経済が大混乱に陥った。優秀な頭脳をもった経済の専門家たちがとんでもないことをしてくれた。日でも、国会が日銀総裁を決定できないために空転した。すったもんだのあげくに決まった日銀総裁は迫力がない。福田総理は自信喪失した老人というイメージがすっかり定着している。これでは世界から舐められるだろうな、と思う。 著名経営者によるビジネス書も読んでみた。彼らの主張を整理すると、人並み以上に仕事をし、いつも感謝の気持を忘れないでいると、顧客のニーズがわかり、その満足を得るために働くと仕事は楽しくなる、と説く。ワーキングプアが増えている時代に不可解である。大衆をだますための創作話のようであるが、多くの人が

    ジャーナリスト・石井政之の書評ブログ 『生きるための経済学―<選択の自由>からの脱却』安冨歩(NHKブックス)
    umeten
    umeten 2008/04/14
    >市場経済学は「相対性理論の否定」、「熱力学第二法則の否定」、「因果律の否定」という三重苦のうえに立っている/著者がそのひとつひとつを証明していく/経済学とは人々をだますインチキ学問ではないか
  • 『明治前期の教育・教化・仏教』谷川穣(思文閣出版) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 書評は、早瀬晋三著『歴史空間としての海域を歩く』または『未来と対話する歴史』(ともに法政大学出版局、2008年)に所収されています。 近代教育と宗教の問題は、どこの国でも近代化論のなかで議論されてきたものと思っていた。ところが、書を読むと、日では格的に取り組まれてこなかったことがわかる。著者、谷川穣は、そのこと自体がさまざまなことを示唆していると考え、「教育史、宗教史、仏教史、あるいは日近代史といったジャンルのいずれにも分類されうる」が、「どの領域でも実は格的に取り組まれてこなかったテーマ」を、この一連の論考によって「それらの領域に架橋」し、なにか質的なものを見出そうとしている。 書は2部6章からなり、第一部「教導職と教育-明治初年-」と第二部「仏教と教育-明治一〇~二〇年代-」はそれぞれ3章からなる。各章で論じられている内容は、それほどやさしいわけで

    『明治前期の教育・教化・仏教』谷川穣(思文閣出版) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
    umeten
    umeten 2008/02/26
    >「近世」は英語では「初期近代early modern」/日本語で「近世」と「近代」というと大きな断絶を感じる。明治維新を過大評価する政治的意図を感じる/「戦前」と「戦後」の断絶も「戦前」を不問にする政治的意図を感じる
  • 『トヨタの闇』渡邉正裕・林克明(ビジネス社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「全日国民必読の書である」 トヨタという自動車メーカーの「闇」にスポットをあてたノンフィクションである。 世界一の自動車メーカーに成長したトヨタ。 成功した会社として、その社風をたたえる書籍が無数に出版されるトヨタ。 その闇にスポットをあてた書籍は、数えるほどしかなかった。 トヨタ批判の完全なる不在。 国策企業トヨタを批判的に検証できない日のジャーナリズムの足腰の弱さは公然たる秘密だ。 トヨタをジャーナリズムの対象として取り上げた、その数少ないノンフィクション作品のなかで、いまも読み継がれているのは鎌田慧の『自動車絶望工場』だろう。 この作品にしても、ノンフィクションという出版業界では「売れない」ことが常識になった領域に興味をもっている人間、大企業の労働問題に取り組んでいる関係者くらいしかひもとくことはない「古典」になってしまった、と言ってよい。 私はいまこの原稿

    『トヨタの闇』渡邉正裕・林克明(ビジネス社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
    umeten
    umeten 2008/02/08
    > 本書の意義を認め、精力的に報道しているのは海外メディアであり、日本の主要メディアは黙殺していることも明らかになっている。
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