タグ

ブックマーク / kaikaji.hatenablog.com (13)

  • 「いやな感じ」の正体 - 梶ピエールのブログ

    ネットと愛国 在特会の「闇」を追いかけて (g2book) 作者: 安田浩一出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/04/18メディア: 単行(ソフトカバー)購入: 12人 クリック: 372回この商品を含むブログ (72件) を見る 講談社『g2』で連載中からなにかと話題になっていたこのについては、これから活字メディア、ネット上を問わず多くの言及がなされていくことと思う。僕にとっては、なによりも拙著『「壁と卵」の現代中国論: リスク社会化する超大国とどう向き合うか』、特に第11章「村上春樹から現代中国を考える」で展開した問題意識に、あまりにドンピシャと響く内容だったので、とりあえず直接関連する記述を以下に引用しておきたい。 たとえば、2005年当時の激しい反日デモやサッカースタジアムにおける「小日」や「シャービー(=女性器を意味するスラング)日」の大合唱の映像をニュースでみ

    「いやな感じ」の正体 - 梶ピエールのブログ
  • 神話的暴力と神的暴力、あるいは「動物」たちの反乱 - 梶ピエールのブログ

    少し前の、稲葉振一郎氏のエントリより。 少し話は変わるが、人(認識・行為の主体)を殺すということは、ある意味で(すなわちその人にとっての)世界を終わらせるということであり、その意味で人を殺すという営みは神的である。レヴィナスが「殺人は不可能である」と言ったのは要するにそういう意味においてであるとは言えまいか。つまりより正確には「殺人を人として行うことは不可能である」ということであったのではないか。殺すことにおいては、人は実に簡単に神の真似事ができてしまうのである。 もちろんその対極の、いわば「神の真似事」の困難な極というものが考えられる。すなわち、世界を創造するということだ。しかしこうした作業でさえも「真似事」としてであれば十分に可能である、とは言えまいか。すなわち、ある人にとってはその外側、ほかの可能性(「可能世界」と呼んでしまうことはとりあえずは差し控えるとして)が想定できないような環

    神話的暴力と神的暴力、あるいは「動物」たちの反乱 - 梶ピエールのブログ
    umeten
    umeten 2010/11/20
    >どんなに「動物」的な欲求/を現実の人間社会で実現しようとする限り必ず「人間」の営みが入り込んでくる/「必然性(貧窮)と暴力が合わさった大地の力の様に見えるもの」が/「大地の力」であり続ける事は不可能である
  • マオの時代のプレカリアート - 梶ピエールのブログ

    少し前だが、現在の中国社会における「臨時工」という存在の位置づけ、そして、例の餃子事件を始め、最近の中国においては何か社会的事件が起きるたびに「臨時工のやったこと」で片付けられてしまう風潮について、ふるまいよしこさんが次のようなとても興味深い記事を書いていた。 http://ryumurakami.jmm.co.jp/dynamic/report/report4_1994.htmlより 日における毒ギョーザ事件報道でも、逮捕された呂月庭容疑者(蛇足だが、中国語的にはとてもきれいな名前だ)が犯行に及んだ理由について、「勤務条件への不満」や「正社員になれなかった」などという「臨時工であることの悔しさ」が全面的に強調されている。それはきっと中国側から伝えられた詳細をそのまま記事にするしかなかったのだろうが、「臨時工」という漢字の言葉が持つ意味があまり分からない日の読者にとっては、分かったよう

    マオの時代のプレカリアート - 梶ピエールのブログ
  • 属地的自治と属人的自治 - 梶ピエールのブログ

    http://d.hatena.ne.jp/kaikaji/20090903の続き。塩川伸明『民族とネーション』より再引用。 オーストリア社会民主党の1899年のブリュン綱領は、オーストリアの民主的他民族連邦国家への転化を目標として掲げた。その前提には、属地主義に基づいた民族別地域の自治という発送があったが、諸民族の混在する地域ではこれだけでは問題に解決にならないことから、地域自治(属地主義)と属人主義の組み合わせという考えがオットー・バウアーらによって提起された。属人主義とは、少数民族が地域を越えて形成する公法団体に学校運営などを委ねるという考えであり、「文化的自治論」とも呼ばれる。 レーニン及びスターリンがブンドへの対抗という観点から領土的民族自決論を特に強調したことはよく知られている。もっとも、この論争における対抗は、当事者たちの党派的論争の過熱のせいもあって、実質以上に過大評価され

    属地的自治と属人的自治 - 梶ピエールのブログ
  • 弱者が弱者を食い物にする - 梶ピエールのブログ

    ウルムチの事件に関する報道は今日も続いたが、テレビではやはり「報道ステーション」が頭一つ抜き出ているという印象を持った。たとえば、同じデモ行進をするウイグル人女性を写しても、NHKの報道では彼女らをあくまでも「群体」としてしか捉えていないのに対して、報ステのカメラは、できるだけ一人一人の「個人」の表情に焦点を当て、その「声」を拾い上げようとしていた。デモ隊と武装警察が対峙する緊張した状況の中でこのような取材をするには、かなり志が高くなければできないはずであり、大いに敬意を表したい。 さて、中国事情ブログ界(?)に彗星のごとく現れ、ハイペースで記事の更新を続けている「21世紀中国ニュース」さんが、7月5日の騒乱のきっかけになったとされる6月26日の広東省韶関での事件について、興味深い記事を書いている。 http://21chinanews.blog38.fc2.com/blog-entry-

    弱者が弱者を食い物にする - 梶ピエールのブログ
  • 7月5日ウルムチでの騒乱に関して - 梶ピエールのブログ

    最初日のメディアは新華社のニュースをそのままタレ流すだけでやはりダメだと思ったが、6日の報道ステーションはかなり時間を割いて双方の言い分を報道するというスタンスで、水谷尚子氏にも取材を行うなど、かなり頑張っていた。ただコメントが加藤千洋氏というのはあまり適任ではなかったと思うが。 ・・とはいえやはりこの件についてはBBCなど英語圏の報道が背景の解説も含めて圧倒的に詳しい。それに引換え、「東洋のBBC」を目指しているはずのNHKは7時のニュースを見る限り広東省韶関での事件にも言及しないなど、かなりお粗末な時間の制約があったとしても不満の残る報道姿勢だった(9時のニュースではちゃんと報道していたようです)。 少し前だが、グアンタナモに収用されていたウイグル人がパラオに移送されたときも、日ではほぼベタ記事扱いだったが、NYTが非常に詳しい報道を行っていた(これとかこれ)。日ごろからの取り組み

    7月5日ウルムチでの騒乱に関して - 梶ピエールのブログ
  • 中田英寿さん必見 - 梶ピエールの備忘録。

    先日も紹介した「BS世界のドキュメンタリー」の「アフリカ支援は甘くない」のシリーズを毎晩見ていたのだが、期待したとおり実に素晴らしい内容だった。どこが素晴らしいかというと、 ・「自分もやりがいを感じ、現地の人たちにも感謝され、しかも将来の自立につながる」という「理想の援助」は、番組にでてくるような、お金も時間も好きなだけ使えるような特権的な人たちでないと、まず実行不可能だということ。 ・そのような特権的な人たちでさえ、現地の人々と信頼関係を築くのは容易ではなく、また実行しようとしたプロジェクトの多くは失敗するということ。 ・一見怠け者で生活向上の意欲を持たないように見える現地の人々に「やる気」を起こさせるのは、時間はかかるけど熱意さえあれば決して不可能ではないこと。 ・しかし、現地の腐敗した官僚組織に「やる気」を起こさせ、きちんと機能するように仕向けることは、「外部」の人間にとってはほとん

    中田英寿さん必見 - 梶ピエールの備忘録。
    umeten
    umeten 2008/05/15
    伊勢崎賢治『武装解除』もあわせてどうぞ。 ISBN:4061497677
  • 梶ピエールの備忘録。 - ガンバレ、とにかくガンバレNHK。

    tomojiroさんに教えていただいくまで全く知らなかったのだが、中国の「いま」に鋭く切り込んだNHKスペシャルのシリーズ『激流中国』の内容に対する中国当局の「厳重注意」が記された「秘密文書」がネット上に漏れて公開され、話題になっているようだ。 http://www.danwei.org/internet/secrets_out_in_the_open.php(中文版は、こちら) 中でも問題とされたのがプロローグの「富人と農民工」 と第一回の「ある雑誌編集部60日の攻防」であり、いずれも「貧富の格差」「政府の報道規制」といった「負の面を強調しすぎており」「客観的ではなく」「視聴者に誤解を与える」としてNHKに報道姿勢の反省を促す内容となっている。 その背景には、どうもこの番組(批判を浴びた回)が中文字幕つきでYouTubeなどを通じてネット配信され、中国のネットユーザーの間で大きな話題にな

    梶ピエールの備忘録。 - ガンバレ、とにかくガンバレNHK。
    umeten
    umeten 2007/10/05
    何かと思ったが、中国からみのメディア規制の問題か。だがほめるところが一点だけではどうにもならないところまできているのがNHKだと思うのだが。
  • 梶ピエールの備忘録。―テッサ・モーリス-スズキ『北朝鮮へのエクソダス』

    すでにあちこちで高い評価を受けているけど、改めてこれは名著だと思う。北朝鮮問題について左派の立場から書かれたものとしては、全くアプローチは異なるけれど、脱北者の問題を扱った石丸次郎氏のルポルタージュ、『北のサラムたちasin:4901873016』と相通じるものを感じた。あえて言うなら、この二つの書物は、あくまでも「事実」の徹底的な掘り起こしを通じて、政治的対立のなかで翻弄される最も弱い立場の人々に最大限寄り添おうという姿勢において共通している。 在日朝鮮人の「帰国事業」は映画『パッチギ!』のモチーフの一つにもなっているが、その成立過程は今まであまりに謎につつまれてきた。一般的な理解としては北朝鮮と朝鮮総連ががっちり手を組んだプロパガンダであったというのが定着していると思うが、近年では日赤十字と日政府が一種の「厄介払い」として事業に積極的に関与する、という側面があったことも指摘されるこ

    梶ピエールの備忘録。―テッサ・モーリス-スズキ『北朝鮮へのエクソダス』
  • 梶ピエールの備忘録。 - 再び「白人の重荷」について

    このところNHK衛星ドキュメンタリーネタが続いていたのは別に経済学のとっつきにくさをカバーしようとしているわけではなくて、単に最近経済学の勉強をしていないのでネタ切れというだけなんですが、われながらいい加減マンネリ気味だと思うのでこのへんで総括と言うことにしたいと思います。 このブログでもたびたび紹介してきた、NHKBS「世界のドキュメンタリー」では、中国とかインドとかいった途上国の中の「勝ち組」を含め、グローバリズムの負の側面にも鋭く踏み込んだ番組がたびたび放送される。もちろん、その内容を全て鵜呑みにするのは危険だが、多くの場合それらは開発とかグローバル化とかいった問題を抽象的に考えていく時には抜け落ちてしまいがちな、現実の問題に気付くための貴重な機会を提供してくれる。 ただ、ヨーロッパのメディアによって製作された番組に顕著な、人道主義的な観点から途上国の現場で行われている「悪」を厳しく

    梶ピエールの備忘録。 - 再び「白人の重荷」について
  • 農家の経済学・歴史編:「嫁は春に貰え!」 - 梶ピエールのブログ

    大分前に書いた成瀬巳喜男の『鰯雲』についてのエントリ(id:kaikaji:20060214#p2)に若手の映画研究者の方からトラックバックを頂いたが、そこで紹介されている「春嫁と秋嫁」の話はすごい。 嫁に春嫁と秋嫁と言うのがある。春嫁、つまり三月から四月ごろまでに貰う春の嫁は、貰い方の勝ちで、くれ方の負けだとされるのは、貰う早々、ムダめしもわせず野良へ連れ出せるからである。これは貰い方の優位な場合そうなる。秋嫁、つまり秋の穫り入れがすんでから貰う秋の嫁は、それから秋、冬と長い間ムダめしをわせてあそばせてからでないと、野良がはじまらない。この方はくれ方の優位な場合である。(十六) 「封建的」云々というより、あまりにその発想が経済合理的なのに驚かされる。思わずbewaadさんによる一連の「農家の経済学」のエントリを連想してしまった。 http://bewaad.com/20060608.

    農家の経済学・歴史編:「嫁は春に貰え!」 - 梶ピエールのブログ
  • 梶ピエールの備忘録。 - まっとうなフェアトレードの経済学

    フェアトレード運動については今までどちらかと扱うのを避けていたのだが、前回予告したので、頑張って論じてみる。一般的にはフェアトレード運動も反スウェットショップ運動と同じく先進国の「倫理観」に支えられた理想主義的な運動だと思われがちである。しかし当のところはどうか、ということを考えてみたい。 さて、フェアトレードの対象となる商品は工芸品や衣類も含め多岐にわたっている。しかし最も影響力が大きく、市場浸透率も高い商品はというと、それはコーヒーだということに意義を挟む人はあまりいないだろう。もちろん、コーヒーがフェアトレードの主力製品になっていることにはきちんとした理由があるし、したがってフェアトレードの存在意義を論じるうえでもコーヒーは最適の題材であるはずだ。 で、世界のコーヒー貿易とフェアトレード運動の関わりについて、僕が知っている限り最も明確な説明を行っているのが、すでにあちこちで話題にな

    梶ピエールの備忘録。 - まっとうなフェアトレードの経済学
  • 梶ピエールの備忘録。ヤバい経済学者とシロい振る舞い

    このたびようやくこの↓を読み終わったわけです。英語版はずっと前に購入していたのにお恥ずかしい限りですが。 ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する 作者: スティーヴン・レヴィット,スティーヴン・ダブナー,望月衛出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2006/04/28メディア: 単行購入: 15人 クリック: 383回この商品を含むブログ (330件) を見る さてこのの後半に、白人と黒人の教育格差について興味深い研究を行っているハーバード大の若手経済学者、ローランド・G・フライヤー Jr.氏がたびたび登場する。このフライヤー氏、昨年の9月にバークレーの経済学部のセミナーに来て講演しているのだが、そのときの題目が『ヤバい経済学』でもとりあげられている"Economic analysis of 'Acting White'"(シロい振る舞いの経済学)だった。もともとの50

    梶ピエールの備忘録。ヤバい経済学者とシロい振る舞い
  • 1