中国電子商取引最大手の阿里巴巴(アリババ)集団の株式上場は、3割超の株式を保有する筆頭株主のソフトバンクの業容拡大に追い風となりそうだ。ソフトバンクは2000年、創業間もないアリババに約20億円を出資した。今年3月末時点の簿価は1311億円だが、上場で含み益は5兆円超になるとみられている。 孫正義ソフトバンク社長は「(アリババの)株式売却の考えはない」と明言している。ただ、市場は、アリババ上場で含み益急増を見込み、ここ数日、ソフトバンク株は大商いが続き、株価は5カ月ぶりに8000円台を付け、19日終値は8740円まで上昇した。 ソフトバンクは昨年、米携帯電話3位のスプリントを買収し、米市場に参入した。先月、米4位のTモバイルUSの買収断念に追い込まれたが、今後もIT分野では世界規模で買収を進めていくとみられている。