移民排斥問題が続く欧州連合(EU)諸国と同様、移民受け入れ大国のロシアでも非ロシア系住民への排斥感情がこの1年間で急速に高まっていることが世論調査で明らかになり、同国社会に波紋を呼んでいる。ロシアの専門家は、外国人排斥感情が移民を妨げ、自国経済に悪影響を与える恐れがあると指摘。排斥感情が高まった背景の分析には、長引く経済低迷や国民の反発を招いた年金改革のほか、「EUの移民問題を嘲笑してきたメディアの報道姿勢がブーメランとなった」とするものもあり、問題の根深さをうかがわせた。 (モスクワ 小野田雄一) 1年間で2倍に 世界移住機関によると、ロシアは移民在住者数で1990年から2015年まで米国に次ぐ2位。17年は4位となったものの、今も約1200万人の移民が住む。ロシアでは中央アジアやカフカス地方など旧ソ連圏諸国からの移民が多い。 独立系世論調査機関「ネバダ・センター」によると、「ロシアはロ