ヨハネ4:4-30 この聖書の箇所に記述されているイエス・キリストと一人のサマリヤ人の女性との会話を読むと、ある一つの特徴に気が付く。一般論化するのは強引かもしれない。しかし、日常生活の中で多くの人が実感しているものでないかと思う。 疎外感と帰属意識という、一見矛盾する二つの意識を私たちは持っているということ。 この女性は、サマリアのスカルという町に住んでいたが、おそらく過去の男性関係が原因で、町の他の住民とは交流がなく、町の宗教的行事にも参加することができない状況だったと思われる。実際、当時の風習からすると、昼の一番暑い時間帯に井戸に水を汲みに行くことはまずあり得ず、通常女性達は午前中の涼しい時間帯に井戸に行き、あの全世界共通の女性の営み、「井戸端会議」をするのが常であった。しかし、このサマリヤの女性は違った。誰にも会わないように昼の12時頃、井戸に来たのである。彼女は同郷の人々から疎外