■「安息日の異邦人」体験 「おい、あんたら外国人だろ。ちょっとこっちに来てくれないか」 9月28日の金曜、商都テルアビブ近郊のネタニヤ。午後7時過ぎ、安息日の取材に訪れたユダヤ教の礼拝所(シナゴーグ)で、強面(こわもて)の男性に呼び止められた。キッパと呼ばれるユダヤ教徒の帽子をかぶった男性は、私たちを近くのアパートまで連れてくると「エレベーターで5階まで先に上がって待っていてくれ」と言って、自分は階段を上り始める。何か粗相をしてしまったか……。ドキドキして5階の薄暗い廊下で待っていると、男性が汗だくで階段を上ってきた。そして、玄関先で配電盤を指さし、こう言った。 「すまないけど、そこのスイッチを入れ直してくれないか。部屋の漏電ブレーカーが落ちてしまったんだ」 へ? 言われた通りにすると、暗闇に包まれていた部屋にパッと明かりがともり、中から女性たちの歓声が上がった。 安息日のエルサレム旧市街