東京タワーと東京スカイツリーの大きな違いのひとつは、前者の映像体験が「見上げる」ものであるのに対し後者は「望む」ものである点だと思う。 イメージセンサのサイズが小さくかつレンズ技術が発達した結果、望遠側が充実したデジカメをみんなが持つようになっているところへ登場したのがスカイツリーだ。日本橋から東の地域、たとえば馬喰町あたりを歩いていると、通りのずっと向こうにスカイツリーがヌッと姿を見せることがあってびっくりする。そして写真に撮る。 一方、東京タワーのよくある写真はといえば、ほぼ真下から脚のひとつを画面に入れパースを強調したものだ。画像検索で「東京タワー」とググるとそういう絵ばかりがヒットする。 タワーという象徴性の高い建造物においては、メディアを通して見る体験が占める割合が大きく、現在のような写真を撮ってネット上でシェアする時代にあっては、みんなの手元にあるデバイスが見え方を規定するので