1 憲法9条が果たしてきた機能~「軍事」に対する厳格な統制 憲法9条や憲法の平和原則に基づいて、様々な原則、要件、基準等が打ち立てられ、「軍事」に対する統制がなされてきました。 (1)9条2項に基づくもの 9条2項は「戦力」の保持を禁止しているため、「自衛のための必要最小限度を超える実力」を持つことはできないと解釈されてきました。 この解釈に基づき、他国に脅威を与えるような「攻撃型兵器」は持てないとされたり、防衛費が「GNP(GDP)の1%」を超えないとの閣議決定がなされたりして、軍備の増強に歯止めがかけられてきました。 (2)9条1項に基づくもの 9条1項は「武力の行使」を禁止しています。 このことから、個別的自衛権を行使するためには3つの要件(自衛権行使の3要件)を満たさなければならないとの制約が課されました。これにより、「集団的自衛権」の行使は出来ず(第1要件)、「敵基地攻撃」(第2