「三人吉三」って、花とゆめでマンガになってたのね。読んだことないけど、どう現代劇にしてるのかな。 原作でも夜鷹(一番最下層:まあ手軽な売春業)を営んでる家のなかでのやりとりは、きっと今でいうデートクラブの日常会話なんじゃないかな、「おっとつぁん、じゃあ行ってくるねっ」という勢いで小脇にゴザを抱えて出て行くおとせちゃんはとても素直な良い子に描かれております。 さて、河竹黙阿弥の師匠、鶴屋南北は『東海道四谷怪談』の作家でありますが、この四谷怪談はなぜ、作られたかというと、『忠臣蔵』をひっくり返そうとしたのです。 言わずもがな、忠臣蔵は赤穂浪士四十七士の討ち入りの話ですが、主君の仇を討つという「正義」の物語と描かれ、現代まで人気を誇る大傑作です。 忠臣蔵が正義の物語であるならば、この義理に「悪」と「虚」と「闇」と「欲望」の解釈をぶつけたのが南北です。 歌舞伎のなかの物語は実話をベースにしたものが