増田俊也『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』(新潮社)を読んだ。全700ページと分厚い超大作ながら、夢中でぐいぐいと読み進み、どっぷりと昭和柔道史および戦後の魑魅魍魎の世界に浸る事ができた。右を向いても左を向いても、少なくとも聞いた事のある伝説級の名前がゴロゴロ出てきて、彼らの生年月日を考えれば当たり前ながら、戦後すぐの日本は一体どんな世界だったんだよと思ってしまった。この本をドンと出した新潮社は偉い。そして長きに渡り、連載ページを割いてきた『ゴン格』はもっと偉い。 タイトルを読めば予想されるように、あの“昭和の巌流島”力道山vs木村政彦を中心点に置いた木村政彦伝であり、また柔道史であり、格闘技史プロレス史であり、つまりは戦後日本史そのものである。主要人物事象だけでなく、その周辺を徹底的に調べ尽くし、資料と調査をしまくった大力作。連載されていたのでやや重複が多いのは仕方ないか。ドキュ
![鬼の一生 - 帰ってきた不発連合-又は忘れじのバックドロップ-](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/b7cb76c12b222be2f63abc642e83861b31cead6f/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fimages-fe.ssl-images-amazon.com%2Fimages%2FI%2F51GdqiVpRPL._SL160_.jpg)