ワシントン大学医学部(アメリカ、ミズーリ州セントルイス)発生生物学部門・医学部門(兼任)教授。 医学博士。 1964年生まれ。 慶應義塾大学医学部卒業。医学博士。専門は、哺乳類における老化・寿命の制御メカニズム、および科学的基盤に立脚した抗老化方法論の確立。 老化・寿命を制御する特別な酵素「サーチュイン」 ――世界の関心を集めているNMNですが、その前に老化・寿命の制御メカニズム研究は今どこまで進んでいるのか、現状を説明していただけますか。 今井 老化・寿命の研究には長い歴史があり、初期の頃は「生物はどのように死ぬか」「臓器にはどんな変化が起きるのか」などを研究するものが大半でした。しかし、1980年代終わりから90年代にかけて、分子生物学や分子遺伝学を駆使し、酵母、線虫、ショウジョウバエ、マウスなどモデル生物の遺伝子を操作して生命現象を解明しようという流れが出てきました。 その結果分かっ