慶応大学矢上キャンパス(横浜市港北区日吉)の新校舎建設予定地にある矢上台遺跡から、弥生~奈良時代に建てられた竪穴住居跡60軒が見つかったと、発掘に当たった同大矢上地区文化財調査室が3日、発表した。このうち弥生時代のものは30軒近くあり、副室長の安藤広道准教授(考古学)は「弥生の集落遺跡としては全国的にも非常に大規模で、全体で千軒以上が密集していたと推定できる」としている。 発掘されたのは弥生後期から奈良時代(1~8世紀)にかけた竪穴住居群。新校舎建設予定地の南斜面で、広さは矢上台遺跡(約9万平方メートル)の一部に当たる約1500平方メートル。かねて遺跡の存在は予想されていたが、校舎建設の前に記録に残そうと、調査は2010年4月から行われていた。 矢上台遺跡は多摩川と鶴見川に挟まれた高台にあり、東京湾にも近い場所にある。「卑弥呼が活躍した弥生終末期のこの地は、水運など交通の便が良く生活し