県立考古博物館は16日、猪名川町広根の「広根遺跡」で鎌倉時代(13世紀ごろ)の掘っ立て柱建物跡5棟や水田跡が見つかったと発表した。建物跡は最大で約70平方メートルあり、荘園の経営を任された名主(みょうしゅ)クラスの武士の屋敷とみられる。同博物館は「現在の川西市や猪名川町などで荘園を開発した多田源氏の勢力範囲を知ることができる」と話している。 鎌倉時代の遺跡からは火葬の跡も見つかり、武士たちが土地に住み着いた様子がうかがえる。他にも室町時代の石組みの井戸や、宋銭が出土した柱穴が見つかった。釉(ゆう)薬を塗って焼いた青緑色の陶器片もあり、中国製のつぼの一部とみられる。 広根遺跡は新名神高速道路の建設に伴い、今年度から本格的に発掘が始まった。 現地説明会は18日午前10時~正午。現場は町立つつじが丘小学校の北にある。問い合わせは現場事務所(072・767・2530)。【高瀬浩平】 〔阪神版〕