将棋界でそのとき最も強く、輝いている最高峰の二人の棋士がぶつかりあう「名人戦」。日本の将棋対局の中でもっとも長い伝統を誇る名人戦の中でも、今年の対局は歴史に残る名勝負と呼ばれている。 永世名人の資格を有する森内俊之(37)、挑むのは将棋界のスーパースター・羽生善治(37)。二人は、同い年で同期。小学校4年生の時に将棋大会で出会って以来、20年以上に渡り共に戦ってきた「宿命のライバル」である。 今回のプロフェッショナルは「ライバル」スペシャルと銘打ち、この2人の闘いに長期密着。平成の名勝負をドラマチックに描いていく。 この名人戦には、2人の勝負師としての「人生」が交錯する。25才の若さで前人未踏のタイトル7冠全制覇を成し遂げ、常に将棋界をリードしてきた羽生と、将来を嘱望されながら結果を残せず、羽生に対する「劣等感」をばねに、強さを磨き続け、31才で初めてタイトルを獲得した森内。その後、羽生は