選択的夫婦別姓を巡り、経団連が制度の早期導入を提言したことを受け、自民党が党内議論に向けて重い腰を上げようとしている。制度の導入を求めて国を提訴した原告ら当事者は一連の動きに期待する一方、前向きではない岸田文雄首相の姿勢もあり「本当にやる気があるのか」との疑念をぬぐえていない。(砂本紅年) 選択的別姓 結婚する際に夫婦がそれぞれの姓を名乗ることも、同じ姓を名乗ることもできる制度。1996年、法相の諮問機関「法制審議会」が導入の改正法案要綱を答申したが、自民党保守派が反対し、30年近く国会に上程されないままたなざらしになっている。96年当時は夫婦同姓を法律で義務付けていた国は他にもあったが、人権の観点から相次いで法改正し、別姓を選べないのは世界で日本だけとなっている。
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