原発事故では多くの国民が郷里を追われ、住居や生活の基盤、家族の団欒さえ奪われた。依然として原発への不安がこの国を覆っている。にもかかわらず、東京電力の経営陣には反省のカケラもなく、 今も独占企業の権力を振りかざす。 西澤俊夫・社長はこういってのけた。 「料金値上げは事業者としての義務というか、権利だ」 東電はこの4月から事業者向け電力料金の平均17%値上げを決め、家庭向け料金も10%程度の値上げを申請する構えだ。生活や産業に欠かせない電力供給を独占しながら、「値上げが嫌なら使うな」と臆面もなく 恫喝する。 この企業が原発事故の後もいかに放漫経営を続けているかの実態を知れば、国民は黙ってはいられないはずである。 事故後、社員の給与・ボーナス合わせて2割カットを実施し、ボーナス支給額を夏冬合計で約77万円(組合員平均)に減額したことで“われわれも痛みを受け入れている”といわんばかりだが、元経産