沖縄県名護市辺野古への米軍普天間飛行場(宜野湾市)移設が最大の争点となった名護市長選は、移設反対を訴えた現職の稲嶺進(いなみね・すすむ)氏が敗れた。安倍政権は移設を加速させる方針だ。もう工事は止まらないのか。 4日投開票された市長選は、移設を推進する安倍政権が全面支援した元名護市議の渡具知武豊(とぐち・たけとよ)氏が初当選した。渡具知氏は選挙戦で辺野古移設の是非に言及しなかったが、市長選までは自民党系市議として移設推進の立場で活動してきた。 安倍晋三首相は翌5日、辺野古移設に関し「市民の理解をいただきながら、最高裁判決に従って進めていきたい」と官邸で記者団に述べた。最高裁判決とは、沖縄県の翁長雄志(おなが・たけし)知事が前知事の埋め立て承認を取り消した処分を違法とする判断。これに加えて、市長選で「民意」が得られたと強調する考えだ。 日米両政府が1996年に普天間の返還に合意して以降、名護市