2012年にプロダクトデザイナーの深澤直人氏が日本民藝館の館長に就任してから、10年以上が経った。いまや、工芸や民藝から示唆を得ようとするデザイナーも少なくない。 「デザイン」が価値を発揮する領域がますます拡張するいま、「工芸」や「民藝」と重ね合わせることで見えてくる景色とはどのようなものだろうか。 「何がデザインなのか」を問い直すイベントシリーズ「ANY by designing」。「デザイン」と「人類学」の輪郭をなぞった第1回に続き、第2回目は「『工芸/民藝』と『デザイン』その交点を探る」というテーマを設定。 伝統的なものづくりの世界にサービスデザインの視点を取り入れ、地域資源を活用した文化体験に取り組む田房夏波と、哲学者として単なる造形を超えた民藝の心性を探求し、全国各地の伝統工芸の現場へのフィールドワークも重ねる鞍田崇を招き、意匠にとどまらない、工芸や民藝とデザインの交点を探った。