「先生、ニーハオ、初めまして」 がっしりした太い手で私の手を握られた。握手というより武道の試合でもしているかのような強い握り様だった。 「是非、会ってほしい」とメールで何度も何度もラブコールをもらい「飛行機代も宿泊代も支払うから是非、北京の自分の工場に来て欲しい」とまで言われてしまっては仕方がない。それではと先日、北京の出張のついでに恐る恐る会ってみることにしたのである。 この御仁は、32歳の若き工場経営者の劉博文さん(仮名)。北京郊外で機械商社と機械メーカーを立ち上げた。従業員は20名。設立わずか3年の会社であるが、すでに数億円の年商がある。 32歳と言えば、80后(バーリンフォー:1980年代生まれ)。この世代は、中国では「一人っ子政策」で大事に育てられ、そのため苦労を知らずワガママな人が多いと言われる世代である。しかし、劉さんは、いわゆる80后とは違う珍しいタイプかも知れない。 「日
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