築地場外市場を訪れ、さまざまな水産物を見て調理法などを学ぶ東京海洋大学の学生=5月31日、東京都中央区 サンマをはじめ魚の水揚げが低調な一方で、水産業界の大きな課題となっているのが魚消費の低迷。若者の「魚離れ」が指摘されてきたが、近年、教育現場での取り組みや新型コロナウイルスの影響による巣ごもり消費もあって「魚食回復」への兆しが見え始めている。 【写真特集】今夜も一杯 酒の肴 水産庁によると、国民1人当たりの魚介類消費量は、2019年度が23.8キロで、ピークだった01年度(40.2キロ)に比べ4割減少。10年ほど前に肉の消費量を下回り、その差は開く一方だ。要因には調理の手間などが挙げられる。 若者への魚食普及が求められる中、東京海洋大学(東京都港区)は17年度に「魚食文化論」の講座を開講。和食の代表格となっている魚食だが、その歴史や地域ごとの食材、調理法などを学ぶ講座は、全国でも例がない