4月10日、台湾で24日間にわたって立法院を占拠していた学生たちが自主的に撤退した。学生たちの行動は、日本に置き換えてみれば国会議事堂を学生が占拠したに等しいから、過激な行動であったことは間違いない。しかし、その行動は非暴力に徹し、非常に組織立って遂行されたこともあり、これら学生たちを多くの台湾市民が支持したことも事実である。台湾ではこの学生運動を「ひまわり学運」と呼称している。 学生たちによる立法院占拠のきっかけは、中台の自由貿易取り決め(「経済協力枠組み協定」: ECFA)に依拠し2013年6月に中台間で調印された「サービス貿易協定」の批准手続きを、与党・国民党が強硬に採決しようとしたことである。与党・国民党は規定の3カ月の討議期間が過ぎたことを理由に採決の審議を打ち切ったのだった。 「なし崩し的な中台統一」実現への懸念 学生たちの行動は、野党・民主進歩党との連携に基づくものではなく自