ケンゾウ君の友人のケースのように、インターネット上で無断サンプリングや盗作の指摘をするユーザーが増えている。的外れな指摘も少なくないが、アーティストに与える影響が大きいのも確かである。今回のように、無断サンプリングを指摘されるとその真偽にかかわらず、アーティストのイメージや評判が傷つくおそれがある。 それでは、元ネタを教えない限り、誰にもわからないようなサンプリングについても、権利者から許諾を得る必要があるのだろうか。実はこの問題を扱った裁判例がアメリカには存在する。そこで、前回に引き続き、今回もアメリカにおけるミュージック・サンプリングの重要裁判例を解説することにしよう。 今回取り上げるNewton事件とBridgeport事件、VMG Salsoul事件は、アメリカの音楽業界に大きな影響を与えた事件である。特にBridgeport判決には批判が多く、その妥当性については大きな疑問が投げ
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