安倍・菅政治は「強権」だったのか~9年の総括の要諦とコロナ禍で見えた課題 強権政治、官邸主導、世代交代、政策論争、派閥融解……メディアの当たり前に疑義 御厨貴 松本朋子 曽我豪 岡村夏樹 吉田貴文 コロナ禍に揺れ続ける日本で、政治もまた不安定な「移行期」に入ったかのようにみえます。歴代最長を記録した安倍晋三政権を引き継いだ菅義偉政権は1年で幕を降ろし、ポスト菅を決める自民党総裁選は波乱含みの展開。そんななか、自民党総裁選に続き、政権選択選挙である衆院選と政権の実績が評価される参院選が、来年夏までに立て続けに行われるのは、主権者である有権者にとって一種の僥倖(ぎょうこう)かもしれません。 とはいえ、この幸運を生かし、私たち有権者の選択を実のあるものにするためには、なにより「よい問いかけ」が大切になると思います。安易な結論に飛び付くことなく、移行期ならではの変転する現実を腰を落として追いかけ、