大手予備校「代々木ゼミナール」(東京都)が、校舎の閉鎖と大幅な人員削減に踏み切る。来月1日からは、早期退職の募集も始まる。「3大予備校」と呼ばれた一角が、なぜ生徒集めに失敗したのか。少子化の流れに加え、入試改革が進む中、予備校は「変革」を迫られている。 「断腸の思いですが、学園存続のためには大幅な校舎運営費と人件費の圧縮を行わなければなりません」 代ゼミの職員に対し、高宮英郎理事長名の文書が配られたのは8月後半。仙台校や浜松校、神戸校、小倉校などを閉鎖して、全国で七つの校舎に集約する方針が示されていた。「若い職員を中心にした事業運営への転換」で、40歳以上の職員約400人を対象に、9月1日から行う早期希望退職の応募書類も添えてあった。突然の通告に、職員の一人は「どうしてこうなったのか全く分からない。必死に新聞を読んで情報を集めている」と戸惑った。生徒数が減り、人気講師でも教室の前の列しか席