一連の問題は、朝日新聞一社の不祥事にとどまらず、新聞業界、ひいてはジャーナリズム全体に、大きな影を落としています。 その一つが、人々の新聞離れの加速。近年、新聞を購読しない人は増えています。長年の朝日読者の中にも、今回のことで、新聞をとることをやめた人が出ているようです。この機に乗じて読者を奪い合う新聞業界の様子に、うんざりした人も少なくないでしょう。 その果てに新聞が滅んでも、それに代わる報道機関があれば、構いません。しかし、ネットのニュースも、多くは新聞や通信社の配信です。日本のテレビニュースは時間が限られ、伝えられる項目はそれほど多くありません。紙媒体にこだわる必要はありませんが、なるべく多くの情報を、できるだけ正確に、広く伝えるという新聞の機能は、これからも大切なものです。 しかも、社会で起きている物事に、いろいろな方向から光を当て、多様な物の見方や意見が提供される機会が必要です。