自己啓発書という「お守り」 自己啓発書。「人間の能力向上や成功のための手段を説く書籍のこと」とウィキペディアにはある。 20代だった80年代後半から90年代前半にかけて、私の周囲には「若者が自己啓発書を読むのはダサい」という空気があった。「自己啓発」という語も、今なら末尾に「(笑)」や「w」をつけるような、ちょっと揶揄的な使われ方をしていた。 だから、2013年末に、本書の前作『嫌われる勇気――自己啓発の源流「アドラー」の教え』(ダイヤモンド社)が出たときは、「自己啓発」の語がサブタイトルとして謳われていることに、正直、驚いた。 「自己啓発」は、もはや、読んでいることを人に内緒にするようなカッコ悪いものでなく、堂々と学ぶべきものなんだと思い、時代の変化が感慨深くさえあった。 本書は日本だけでなく韓国でも100万部を超えたベストセラー『嫌われる勇気――自己啓発の源流「アドラー」の教え』の続編