鉄道ファンにとどまらない人気がある「SLやまぐち」号(JR西日本)。今年は西日本豪雨や相次ぐ車体の不具合で、計画の約4割が運休、乗客数は昨年より4割減った。来年は運行40周年。今後も山口観光の起爆剤として期待されるが、製造から80年を超えて老朽化という課題を抱えながらの運行となる。(藤野隆晃) SLやまぐち号は、JR山口線の新山口(山口市)―津和野駅(島根県津和野町)間62・9キロを、週末を中心に往復する観光列車。運行開始は1979年。「貴婦人」と呼ばれるC57、「デゴイチ」の名で親しまれるD51、「ポニー」が愛称のC56、計3台が鉄路を走る。 今年は計92日間の運行を計画。だが、3月の運行開始直後からつまずいた。D51に不具合が発覚し、4月1日は代替として、ディーゼル機関車が客車を牽引(けんいん)した。老朽化したC56は5月6日、勾配がきつい山口線の運行から引退した。 7月の西日本豪雨で