小沢一郎「このまま死ねない」そして山本太郎 (25)民主党は役人に「お金がない、お金がない」と言われ終わってしまった 佐藤章 ジャーナリスト 元朝日新聞記者 五月書房新社編集委員会委員長 土地改良補助金をバッサリ削る 日本最大級の巨大なしめ縄の下を背広姿の一人の男が歩いてきた。島根県出雲市の出雲大社、2010年5月20日午後3時前。長年の願望だったお参りと見学を終えた民主党幹事長(当時)の小沢一郎は、初夏の強い日差しが照りつける参道で、待ち構えていた記者団を前に語り始めた。 「出雲と大和とは二つの大きな文化圏だったのだろう。2000年近くも前にこれだけ大きな国家の力、高い文化水準があったことは驚きだ」 記者団の中でボールペンを走らせていた私のメモにはそうある。私はそのころすでに、小沢が歴史に深い造詣を持ち、知られざる読書の大家であることを知っていたので、出雲大社関係者の案内に貪欲に耳を傾け