『目には青葉 耳には山不如帰(ほととぎす) 口には初鰹』 江戸中期の俳人・山口素堂(やまぐち・そどう)の有名な俳句が、スッ~と浮かんでくる季節になりました。目に鮮やかな「青葉」、鳴き声が耳に心地好い「不如帰」、食べて美味(びみ)なる「初鰹」。どれも夏の季語で、通常、季重なりはNGの俳句も、この句ばかりは許されているようです。なお、「耳には」と「口には」は、素堂の句では省略されています。 この句が有名になり、初夏に出回る鰹(初鰹)が〝粋な物〞として江戸っ子に広まったとのこと。ぜひ、今年もこの三つを楽しみたいものですが、残念ながら新型コロナウイルスの騒動が治まらず、どれも落ち着いて楽しむわけにはいかないようです。 感染防止の基本は「3密」と言われているため、1年に一度、6月に行われる棋士総会=東京に棋士が一堂に会す定時総会=も今年は中止となってしまいました。仮に実施されたとしても、その終了後、