新型コロナウイルスワクチンの接種を受ける男性=東京都千代田区の大手町合同庁舎で2021年6月17日午前11時43分、小出洋平撮影 新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない中、インドで確認された感染力が強い変異株「デルタ株」が世界的に感染の主流となっている。ワクチン接種が比較的進んでいる欧米では、感染の再拡大傾向も見られるが、コロナ対策の「切り札」とされてきたワクチンだけでは感染を抑え込むことは難しいのか。ワクチンに詳しい中山哲夫・北里大特任教授(臨床ウイルス学)に、感染拡大の要因や変異の動向も含めて聞いた。【岩崎歩】 ――国内各地で1日あたりの新規感染者が過去最多を更新する状況が続いています。 デルタ株の拡大が続いていることが大きな要因でしょう。また、緊急事態宣言が発令されているにもかかわらず、人の流れを抑制できていません。感染拡大の最中に東京オリンピック・パラリンピックが開催され