現場へ! 地方大学の未来② 緑豊かな丘陵地に囲まれた金沢大の角間(かくま)キャンパス(金沢市)に立つ新しい建物に入ると、聞こえてくるのは日本語ではなく、英語の会話だった。 実験室には特殊な顕微鏡がそろうこの場所は、文部科学省の世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)に採択された「ナノ生命科学研究所」だ。 WPIは、研究水準が高く、世界から「目に見える」拠点を作るのが狙い。採択の要件は総勢70人以上で世界トップ級の主任研究者が7人以上、外国からの研究者が3割以上で、事務も含め英語を公用語とする。 ハードルは高く、2007年の開始以来、採択されたのは東京大や京都大など大規模な大学や国立の研究所ばかりだった。そうした中、金沢大は17年、地方の中規模大として初めて採択された。 時間をかけてトップレベルの…