最初こそ男は物一に付いて行っていたが、直ぐに対応出来なくなり、物一の言った蹂躙が始まった。 物一は自分の能力を使って男を中心に兎の様に跳び回り、男に近づく度に槍で男にダメージを与え、そして跳ぶ度に速度が上がり速度の上昇と比例して攻撃力も上がり、最初は涼しい母をして物一の攻撃を受けていた男だが、徐々に険しい顔になり、余裕も無くなり、最初の物一に対する上からの態度は消え、怯えるようになっていた。 それも、当然のことだ。 何故なら、物一は男が戦意を失って尚、攻撃を続け、心が折れてようやく止めたからだ。 「じゃあ、もうこの国には来るなよ?来たなら、今度は今回よりも徹底的に痛ぶった上で、じっくりと殺すからな。」 「わ、分かった。もう来ない、だから離してくれませんか。」 「…さっきの言葉、この耳でしっかりと聞いたからな。後で撤回なんてできないぞ。」 「も、勿論、分かっています!」 「なら、さっさと行け