不動産投資の専門家として、日本の不動産市場の変化を歴史的長期にわたって分析している、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授の川口有一郎氏。「これからは、震災リスクを念頭に置いて住宅投資戦略を練らなければならない」と語る。投資的な側面も踏まえ、今後の住宅選びはどうあるべきかを聞いた。 90年のバブル崩壊後、首都圏の住宅はずっと値下がり傾向にありました。2004年から反転しましたが、金融危機で再び下がり2008年秋のリーマン・ショックからようやく立ち直りかけて、これからまた回復すると期待していた矢先に震災に見舞われた。このショックは大きい。 住宅は20年、30年という長期のローンを組んで買う人が多いのですから、本来はその間に起きうる災害リスクも考えておくべきなのです。今回の震災ショックによって、私たちはそのことを改めて思い知らされたといえるでしょう。 ―― すると、今後はどのように住宅選びを考