山口県光市で99年に起きた母子殺害事件で、被告の元少年(28)の実名が掲載されたルポルタージュ本が、県内でも発売された。 ルポ本には、元少年の中学時代の写真や、元少年から著者に送られてきた手紙、面会の内容がつづられている。 ジュンク堂書店広島店(南区)では8日、35冊が入荷。予約件数と同じだったため、店頭に並ぶことはなかった。今後の入荷予定は未定だという。 紀伊國屋書店広島店(中区)では、9月下旬から予約が入り、8日までに予約件数は35件を超えた。同店は店頭販売はせず、予約注文を受けるだけという。同店は「現在、差し止め処分の申し立てがされているため、販売できない場合があることを了承してもらったうえで、注文を受けている」と説明した。 本の出版について元少年の弁護団長の本田兆司弁護士は「許しがたい行為。本当に本人のためを思うのなら、裁判所の決定を待ってから出版すべきだ」と話した。【寺岡俊】