4月は学生にとって新学期のスタート、3月期決算の企業にとっても新年度のスタートだ。そして新入社員は社会人としての一歩を踏み出す。本欄も4月から装いを新たにスタートしたいと思う。これまでは就活ノウハウを伝授してきたが、少し視点を変えたい。ノウハウではなく、就職の構造を考えてみたい。 というのは、2008年9月のリーマンショック後に企業の採用意識が、かなり変わってきたと考えるからだ。もちろん企業の採用はいつも変わってきた。この10年ではインターネットが不可欠になった。この5年ではWebテストが普及した。2000年代に入り学生の質の低下が意識されるようになって、近年では量ではなく質を問う「厳選採用」が主流になった。そしてリーマンショック後では採用戦略にブレが見られるように思える。そんな変化をここ数回の連載では検証していきたい。そしてその後は、そんな変化に対応する企業にインタビューを試み、採用の
来年春卒業・修了予定の大学生・大学院生を対象にした就職志望ランキングを、リクルートが7日発表した。トップ3はJTBグループ、JR東海、JR東日本で、旅客、運輸関連企業が占めた。景気の先行きが見通せない中で、鉄道や食品など比較的不況に強いとされる企業が順位を上げた。 鉄道は、本州のJR3社が初めてそろって20位以内に入ったほか、私鉄各社も順位を大きく上げた。食品は、明治製菓やカゴメが順位を上げた。東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドは初のトップ10入り。4位の日本郵政グループは、昨年はグループ各社を個別に集計しており、日本郵政が30位で100位以内に入っていた。 一方、会社更生手続き中の日本航空は昨年の14位から100位圏外に。電機も日立製作所が26位から54位、ソニーが29位から77位になるなど落ち込みが目立った。 男女別では、男性がJR東日本、女性がJTBグループがそ
教育支援などに力を入れている「財団法人渋谷育英会」(広島県福山市東深津町、小丸法之理事長)と、小丸理事長が会長を務める「福山通運」(同所、小丸成洋社長)は、福山市が2011年4月に開学を目指している「福山市立大」(仮称)の図書館の整備費として、同市に計5億円を寄付をする。 福山市立大は、福山市港町の内港地区(約1・3ヘクタール)に建設中で、建設費は約50億円。「教育学部児童教育学科」と「都市経営学部都市経営学科」の2学部2学科でスタートする予定で、25日にも文部科学省に設置認可を申請する。市は、初めて住民参加型の市場公募債を発行し、事業費の調達に取り組んでいる。 今回の寄付について小丸理事長は、「地域の教育文化振興に寄与したいと、寄付を決めた。地元企業として、福山市を元気付けられれば」と話している。
札幌市中心部のビルの一室。バイオベンチャー「イーベック」会長の高田賢蔵・北海道大教授が、氷点下150度の冷凍庫の中から小さな容器を取り出した。容器には08年にドイツの製薬会社「ベーリンガーインゲルハイム」から5500万ユーロ(当時88億円)もの契約金をもたらした「宝の山」の細胞が入っている。 内科医の高田教授は約30年に及ぶ研究の末、がん細胞や病原体などを排除する画期的な新技術を開発。がん治療の切り札となる技術の実用化を目指し、03年ベンチャーを設立した。ベ社は新技術で作った新薬候補1種類の開発・製品化の独占権に5500万ユーロの値をつけた。開発段階に応じて一部ずつ支払われ、製品化段階で全額を得る。 日本の大学発ベンチャーは約1800社(08年度)あるが、多くは経営状態が厳しく、これほど巨額の契約は初めて。高田教授は「外部資金は研究の実用化に向けて大きな力になる」と話す。 ■ ■ 03
科学技術政策研究所がまとめた「大学等発ベンチャーの現状と課題に関する調査2007-08」によると、わが国の大学発ベンチャーの設立数は、04年度をピークに減少傾向にあることが分かった。要因の一つとして、04年の国立大学法人化に伴い、大学の教職員が、短期的な成果が出にくいベンチャー創出や支援活動に取り組むより、成果が目に見えやすい既存企業との共同研究や、受託研究などを重視するようになっている可能性があると分析している。 調査は、国公私立大学・高等専門学校、大学共同利用機関、独立行政法人研究所、国立試験研究機関など計852機関を対象に、08年7~8月に実施したアンケートをもとに、大学等発ベンチャーの設立状況、大学での産学連携活動、ベンチャー支援に対する意識の変化や課題などについて分析したもの。 それによると、大学発ベンチャーの設立数は、ピークだった04年度(245社)を境に減少し、07年度は13
大学研究室の悩みは中小企業が解決します―。研究で使う特殊な装置を求めていた横浜国立大学のために、中小企業が装置を共同開発した。産学連携は企業の側が大学の技術を活用するケースが多く、マッチングした神奈川産業振興センター(KIP、横浜市中区)は「これまでに仲介した中では初めてのケース」としている。 開発したのは、コンデンサーやモーター部品などに使用されるセラミックス素材の分析装置。大きさが4ミリ以下の試験片の強度、耐久性などをナノレベルで測定できる。 横浜国大の多々見純一准教授が、試験装置メーカーの精光技研(相模原市)に生産を依頼した。セラミックス材料を研究する多々見准教授が、微細な分析装置を求めてKIPのコーディネーターに相談し、マッチングが実現した。 「新しい実験や研究をするためには新しい装置が必要になるが、予算が限られているので困っていた」(多々見准教授)という。 精光技研は、取
大学発ベンチャー企業が岐路に立っている。経済活性化の鍵と位置づける国の方針に沿って東北でも数は増えているものの、世界的不況を受けて多くは商品化を前に事業計画の見直しを迫られ、資金不足に陥っている。研究志向が強い教授らは経営に疎く、支援を期待される地元金融機関は冷ややかだ。日本経済の救世主とされるベンチャーの未来に不安が広がっている。 (編集委員・大和田雅人) <東北企業130社> 経済産業省が先月、公表した2008年度の大学発ベンチャーに関する調査結果は関係者に衝撃を与えた。バイオテクノロジーを中心に企業数は累計で1809社と過去最高を更新したが、廃業も280社に上った。 東北の企業数は約130社。このうち60社を数える東北大は廃業ゼロで、IT関連に強い会津大も健闘している。順調のようだが、内実は生みの苦しみに直面している。 一つは人材確保。東北大の場合、現役教授が自己資金を調達して
株式会社が設立した LEC リーガルマインド大学が、入学者の減少などから、来年度以降の学部生の募集を停止すると発表した。 LEC 大学は、資格試験対策の予備校「東京リーガルマインド」が2004年に設立した。 全国に14キャンパスあったが、志願者減少に伴い募集停止や統廃合を行い、今年度は千代田キャンパスのみの募集であった。 今年度の入学者は、定員160人に対して18人。累積赤字は30億円に達していたという。 2007年1月には、専任教師の大半に勤務実態がない、ビデオを流すだけの授業を行っていたなどとして、文部科学省から改善勧告を受けていた。 株式会社立の大学については、これは高等教育機関としては機能しないと私は最初から言い続けてきた。 「教育はビジネスではない」からである。 「教育はビジネスだ」と信じた人たちが構造改革特区制度を利用して、わらわらと大学経営に参加してきたのが、2004年のこと
早期化、長期化が指摘されている現在の“就活”。大学側、企業側とも「さまざまな問題がある」という意識は共有しつつも、打開の妙手を打てずにきた経緯がある。塩谷立文科相の発言に、「文科省がうまく音頭をとってくれれば」という期待は、大学側、企業側双方から上がる。 「大歓迎」というのは、立教大学キャリアセンターの担当者。「3年生のうちから就職活動に巻き込まれる現状は、学生が大学で学ぶ権利を奪っているとしか思えない。企業側にしても、学生にはしっかりと勉強をしてもらいたいはずなのに…」と厳しい。 明治大学就職キャリア形成支援センターの担当者は「理想は、大学4年生の夏に就職活動のピークが来るような状態だ」という。さらに「大学、企業だけでなく、いまの就職活動に欠かせない存在になっている就職情報誌の業界も、協議に加わる必要があるかもしれない」とも指摘する。 国立大学協会、公立大学協会、日本私立大学団体連合会で
金融不況に伴う内定取り消しや、「就職協定」の復活といった問題をめぐり、文部科学省と大学関係者に、企業側を加えた意見交換会が12日、東京・霞が関の文科省で行われ、企業側から「就職協定はかつても形骸(けいがい)化し、復活させても機能しない」などの反発が上がった。 学生の就職状況は、内定を取り消された大学・短大生が753人(1月5日現在)と悪化する一方、就活は大学3年生の4~5月と早期化。文科省は就職協定の復活を目指しており、今回は企業側の意向を確認するのが狙い。 企業側は、日本経団連や経済同友会の関係者が出席。大学側は、国公私立の大学関係者らが顔をそろえた。 大学側は、就職活動に一定のルール作りを強く要望。一方、企業側からは「採用は企業の自己責任で行うべきだ」「企業だけにルールを課すのではなく、学生側も守らせるべきだ」などの意見が上がった。「勉強していない学生を卒業させる大学側にも問題がある」
「整理券が当たった。これで東京電力の説明会に参加できる」 東京都内の大学に通う女子学生は手にしたチケットを握り締め、東京電力と書かれた会場に足を運んだ。400人は収容できる会場は満員で、整理券の抽選に外れた学生は入ることもできない。企業の担当者もてんやわんや。予想を超える数の学生が集まったため、資料を配るのも一苦労であるようだ。 これは、東電の採用活動の一場面。300社以上がブースを設けた都内の展示会場の一角で、大学生に事業内容や理念を紹介していた。ここでは、昨年まで売り手市場だった企業の新卒採用が一転、買い手市場になったことが浮き彫りになっていた。 リクルートが昨年末に実施した調査によると、15.7%の企業が2010年卒業の学生の採用を減らすと回答。採用を増やすと答えた企業は8.3%にとどまった。就職活動が始まった昨年10月以降、景気は一機に失速。大手自動車メーカーや大手電機メーカーがリ
大学生の就職活動の早期化に歯止めをかけるため、文部科学省は内定時期などに関する大学と企業間の取り決めを明確化する方向で検討に入った。 景気の悪化で就職戦線が厳しさを増し早期化に一層拍車がかかる可能性も高く、1997年に廃止された就職協定のようなルール作りを検討するため、大学団体や日本経団連などに呼びかけて今夏までに協議の場を設ける方針だ。 就職活動は現在、大学と企業の双方が、〈1〉大学団体などで作る就職問題懇談会の「申し合わせ」〈2〉日本経団連の「倫理憲章」――の二つの尊重に努める形で行われている。 「申し合わせ」「憲章」とも、就職を希望する大学4年生への内定日は10月1日以降としているが、企業の多くが事実上の内定を出すのは4年生になった直後の4月後半。企業によっては3月中に出すケースもあり、企業側の採用活動は実効性のある規制のないまま行われているのが実態だ。 同懇談会が全国の大学の就職担
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