岩手県立図書館(森本晋也館長)の資料購入費が全国最低水準となっている。2023年度は2218万円で、都道府県順位は45位。盛岡市のアイーナに移転した06年度の4割程度に落ち込み、購入数、貸出数ともに減少をたどる。厳しい県財政が背景にあるとみられるが、「文学の国」を掲げる本県の読書環境や市町村立図書館を支える中核施設として費用が十分か、疑問の声が上がっている。 日本図書館協会や県立図書館によると、23年度の都道府県別は東京の3億1807万円が最多。高知、鳥取、大阪が1億円を上回り、東北は青森6136万円、宮城5244万円、秋田3981万円、山形2333万円、福島3240万円となっている。 県立図書館の23、24年度(2116万円)の資料購入費は東日本大震災の学習拠点「I-ルーム」の整備に併せて臨時分450万円が上乗せされた形で、純粋な購入費は2千万円を割っているのが現状だ。