「日本のインターネットの父」と呼ばれるコンピューターサイエンスの第一人者が、日本におけるインターネット発展・普及の歴史的出来事を解説、今後を展望する。 インターネットはそもそも、アカデミズムの中での実験的ネットワーク、つまり大学や研究機関の連絡、論文の交換、あるいは研究用データの交換という非営利の用途で発展してきた。研究者の草の根ベースのネットワークが一挙に広く普及するのは、1995年のWindows 95の発売が引き金となる。ここでは、日本におけるインターネットの発展とその社会背景に焦点を当てて述べる。 JUNET——日本初の研究用コンピューターネットワーク インターネットの技術的ルーツとしては、1969年米国防総省の研究開発部門ARPAが主導して開発を始めたARPANET、および同年AT&T社ベル研究所で生まれたUNIXというオペレーティングシステムが挙げられる。別々に生まれたこの2つ
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