清酒大手の月桂冠の商品に、ノンアルコール日本酒の『月桂冠フリー』がある。 その開発には中断期間を含めて約12年を要したそうだ。 当初、麹(こうじ)と酒かすを原料に使った上で、アルコール分を抜く「引き算」をしたが、甘酒に近い味にしかならない。そこで、食物繊維や水あめなどを組み合わせ、本物に近づける「足し算」に切り替えると7割の人が日本酒らしい味だと評価したという。 思えば、企業などの人事評価も減点主義の引き算になりがちであるが、最近は見直しの動きがみられるようだ。 経営再建中のシャープでは、「加点主義」の人事制度を管理職から順次取り入れていく。新技術の研究開発などで高い目標を設定させ、達成すればボーナスに反映させるが、失敗して会社が損失を被ってもマイナス評価はしないという。 そこには、<エラーを恐れず打球に飛びつく社員を育て、上司の指示を待つだけの“大企業病”を払拭させる>狙いがあるとか。