2013年11月17日11:39 カテゴリ本 植民地支配はもうかったのか 「日帝36年」をうらむ韓国人は、日本が「植民地支配」で富を搾取したために韓国が遅れたと信じている(かなりの知識人でもそういう話をする)。しかしエッカートが実証したように日本の韓国併合の収支は大幅な赤字であり、これを植民地と呼ぶのは正しくない。 それでは日本が追いつこうとしていた「列強」の植民地支配の収支決算はどうだったのだろうか。これについては統計の入手可能性が限定されているが、本書はヨーロッパ諸国から植民地への輸出品の国内生産に占める比率を示している。それによれば、図1のように各国は18世紀までは植民地から利益を得ることができ、特にイギリスは大きかった。 図1 ヨーロッパ各国の植民地むけ輸出の国内比率(%) しかし帝国主義戦争の始まった19世紀以降、スペインは南米の植民地を失って経済が停滞し、フランスはアフリカに多