金沢市が導入を目指す新交通システムについて、石川県の谷本知事は28日、「県民は近場でも車で移動する意識が染みついている」と述べ、「マイカー好き」の県民が乗り入れ規制が不可欠となる新システムを受け入れるのは困難との見方を示した。 金沢市はLRT(次世代型路面電車)などを念頭に議論を進めており、実現可能性に疑問を呈した知事発言が波紋を呼びそうだ。 県庁で記者団の質問に答えた。金沢市の有識者検討委員会は、これまでに、基本ルートとして「金沢港―金沢駅―香林坊―野町」を提言している。谷本知事は1960年代に市電が廃止された経緯に触れながら、「4車線のうち、2車線を実験的に通行止めにしてみればいい。一日中大渋滞になる」と指摘。その上で「産業廃棄物処分場と同じで、(新システム導入という)総論は賛成だが、マイカー排除ならば駄目となる」と語り、県が進めるバス路線の充実と誘導策の強化が望ましいとの考えを示した