システム開発プロジェクトにおいて何かを決める際、PM(プロジェクトマネジャー)が「みんなで決めよう」と言うようでは問題である。古来より和を重んじる日本人的な発言と言えばそれまでだが、それではうまくいかないのがプロジェクトの持つ独特の性質である。 みんなで決めることにこだわったAさん Aさんは情報システム部門の経験年数が10年になる中堅社員である。彼の上司Yさんは業務部門の現場叩き上げのベテラン社員で、数年前に情報システム部門へ異動してきた。長年少しのミスが大事故につながる現場で過ごしてきたYさんは、常々情報システム部門の仕事の仕方に疑問を抱いていた。そんなYさんに、Aさんはなかなかなじめずにいた。Yさんに対するAさんの思いは「少し厳しすぎるよ。みんな仲間なんだから楽しくやらないと」というものだった。 Aさんが、ある社内システムの開発プロジェクトでPMを任されたときの話である。そのプロジェク
![[コミュニケーション編]みんなで決めてはいけない](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/bed39b5962a5d552c95b6d796db8f55e72d32943/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fxtech.nikkei.com%2Fimages%2Fn%2Fxtech%2F2020%2Fogp_nikkeixtech_hexagon.jpg%3F20220512)